データの見える化で健康改善

2020年04月28日

 工場の改善にはひとつのテーゼがある。「計れないものは改善できない」というテーゼである。だからそれを「見える化」することで工場改善のゴールにたどり着ける。
 改善は対象とする「ものごと」を数値というデータにして「見える化する」というシンプルな方法である。心得として5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)がある。データのデジタル化と心得というアナログが交じり合っている日本のものづくりのよさがある。

 私事ではあるが、このデータの見える化を使って自分の健康を取り戻した話を紹介しよう。昨年2019年8月の健康診断の血液検査で成人病に引っかかってしまった。血糖値、コレストロール、中性脂肪と3つすべてアウトの判定を受けた。
 これはヤバいと思い、体質改善に挑んだ。まずは数値を知る必要があるが、病院の血液検査は手間がかかる上に数日後に結果がわかる仕組みである。そこで腕に装置をつけてリアルタイムで血糖値がわかるものをAmazonで買い求め、計測することにした。

 昨年の9月からその数値を目安に炭水化物カットを中心とした食事制限と軽い運動の散歩をするようにした。すると、体重が1週間に1kgずつ減って血糖値も正常範囲内に落ちくようになった。3か月後病院で再検査を受けたところ、血糖値、コレストロール、中性脂肪ともに正常範囲内におさまっていた。医師から薬を使わずにここまで改善した人はなかなかいないと褒められた。体重の8kg減は少々やり過ぎと注意を受けたものの非常に気分がよかった。その後、年末年始のお酒月間も無事に乗り越えられた。
 3月から新型コロナウイルス感染症というパンデミックが起きている。タッチの差で健康を取り戻せて日々慎重に過ごしている。

あるべき姿をただやるだけ

 私が生活習慣病から脱出できたのには特別な秘訣は何もない。単純にヤバいと思い決断して実行に移しただけである。それまではやろうとしても自分にいろいろな言い訳をしていた。最悪の未来予想図を描いて「ヤバい」と気づいたからだ。そして実行はただ自分の意思や立場、思惑を捨て「やるべきこと」をやったに過ぎない。勿論実行は苦しいが、目に見える結果が出てくれば喜びに変わる。自分で決めて自分から進んでやって、その中に小さな喜びがあったからこそ持続も出来ている。
 コロナウイルス感染防止のための行動抑制も自分から進んでやることが大事であると思う。

中島 高英